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学習机の椅子に座っている奈津の表情を見ると、どうもしっくりきていなそうだ。
「奈津は、かずとどんな話をしたんだ?」
「私も、かずくんにどうして敬くんをいじめるのか聞いたの。でもちゃんと答えてくれなかった。でもあの時のかずくんの目はとても冷たくて……私、凄く怖かった」
「それを聞いた日から、女子からいじめを受けるようになったのか?」
奈津は黙ったままこくりと頷いた。
まだ新しい心の傷は、少し触れただけでも血がにじんでいくものだ。
奈津の目からはぽろぽろと涙がこぼれていく。
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