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「ソラ、どうしたんだ? そんなに驚いた顔をして」
「あ、ううん。何でもないよ。似てない兄弟だなって思って」
「ああ、確かにこの二人は全然似てなかった。見た目も、性格もね。でも二人は本当に仲のいい兄弟だった。特にかずは……篤史のことを、本当に慕っていたんだ」
――篤史の顔をまともに見たのはいつぶりだろうか。
俺は、篤史の存在を思い出すことすら辛くて、ずっと目を背けていた。
でも……
もうそろそろ、向き合わなければいけないのかもしれない。
もしかしたら今回の問題は、神様が俺に過去と向き合えと言っているのかもしれない。
久しぶりに、お前に会いにいくよ。
そして、かずにはお前の前で話してもらうつもりだ。
このいじめが起きた、本当の理由を。
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