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リュックサックからスナック菓子を取り出してパリパリと食べたかと思うと、そのまま彼は眠りについてしまった。私の体がぶら下がる、この樹を背にして。
時間にしてたった数時間だが、おじさんに見捨てられてからずっと孤独感を感じていた私は、寂しさを紛らわすため、見えていないのをいいことに彼の横に並ぶように腰をおろした。
「別に…あんたになら殺されてもいいや、私。元々死ぬつもりだったし…」
彼はピーピーと幼児のように可愛らしい寝息を立てて眠っている。
私も寝よう…疲れた。
「おやすみ。」
彼の肩に頭を寄せて、その寝息を子守唄に私は眠りに就いた。
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