- 第一節 孤独 -

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 『旅を続けなければ永久にこのまま』…男は私にそう言った。永久にこのままか…それはそれで楽しそうではあるけどね。  答え…“あいつ”はどんな答えを出したんだろ?…私も早く“答え”を見つけて、死にたいな…。  そんなことを思っていると、“あいつ”を元の体に送り届けた男が口を開いた。  「次の場所に向かうぞ。」  「はいはい、もうどうぞご勝手に、ってカンジ。こっちとしても良い暇つぶしになってありがたいよ。はーあ…」  不満タラタラな私の言葉に、男は眉をひそめる。  「ずいぶん不服そうだな。不満があるなら置いて行く。強制はしない。」  置いて行かれたら、永久にこのまま……  「んー、別に不満ってわけでもないけど、『どうぞご勝手に』って言ってんじゃん?」
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