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男は眉の皺を一層深めて言った。
「…そうか。短い付き合いだったな。」
これだよ…勝手に助けておいて、面倒になったら勝手に見捨てる。こんな大人ばっかりだからこの国はおかしくなっちゃったんだ…きっと。
男は背を向けて去っていく。その背中はすぐに見えなくなった。“この状態”になってから、初めての独りぼっちだ。普通に生活している人の視界には決して映らない、本当の独りぼっち。
私は膝を抱えてその場に座り込んだ。
やっぱりヤダよ…もう…。なんで“あいつ”は答えを見つけられたのかな?
あのおじさんは、あいつが生きる道を選んだって言ってたけど、なんであんたは生きたいって思ったの?
辛いことは幸せになる為の試練だ、って言う人たくさんいるけどさ…辛いことの方が、幸せなことの何百倍も何千倍もあるじゃん。
辛いことを一杯経験したまま、幸せになれずに死んでいく人一杯いるじゃん。
成功した人が自分の半生を肯定したくて、今が辛い人が未来を信じたいだけだよ、あんな言葉。真実じゃない。
…もう死にたい…本当に死にたい…
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