- 第一節 孤独 -
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ふと顔を上げると、辺りは真っ暗だった。孤独感が一層募る。淋しくてやりきれず、私は人気を探して歩き始めた。 水田では蛙が鳴き、そよぐ風に山は鳴き、草花は踊る。…田舎の夜は暗くて、淋しい。淋しさを紛らわす娯楽が、音が、外には無い。 家に帰ってみようか…少しは心配してくれていたりするのかな。 帰路についた私の、そんな仄かな期待は、呆気なく裏切られるところとなった。
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