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ある日のこと、三人一緒の楽屋で、ゆーちゃんが、
「なぁ、ノック。最近疲れてない?これ、よく効くらしいよ」
と、白い錠剤をくれた。
「ありがとうございます」
と、僕はジュースと一緒に錠剤を飲んだら、なんか急に眠くなって…。
気が付くと、ゆーちゃんはパシャパシャ写メを撮っていて、つる兄は呆気にとられている。僕が寝ている間に何が?
「おはようございますニャ」
は?今の僕の声。普通より高いし、ニャって…。
「え?僕どうなってるニャ?」
ゆーちゃんが写メをやめて笑いながら、
「ノック、鏡見てみそ」
って言うから、見ると、
「ニャ、ニャんニャー!」
僕の頭に猫耳が生えて、髭があって、手をみたら肉球付きの手に、ズボンからは尻尾、足も猫足…。
ど、どうなってるの?!
ゆーちゃんが笑いながら、
「イヤー、知り合いから面白い薬があるから、誰かに飲ませてみろって言うから、ノックに飲ませたら、まさかこうなるとは思わなかったべ」
さっきの錠剤がそれ!それにしても、どうしよう。
「ゆーちゃん、笑っている場合じゃニャいニャ。いつになったら戻るのニャ?」
え?と言う顔をして、ゆーちゃんがひきつる。
「まさか雄輔。治り方知らないとか…」
「ち、ちょっと待って。今、電話してみる」
慌てて電話するゆーちゃん。僕は困って椅子に座る。不意につる兄が横に来て、喉をくすぐる。自然とゴロゴロと鳴いてしまう。
「猫だな、まさしく」
「つ、つる兄まで!僕、戻れなかったらどうすればいいニャー!」
あんまりのことにニャーニャー泣き出してしまう。
「な、泣くなよ。雄輔が戻り方聞いて…」
つる兄が優しく頭を撫でる。気持ちよくて、泣くのをやめて、つる兄にスリスリ。あ、まるっきり猫だ。
ゆーちゃんが電話を終えて、こっちに来ると、
「効き目は10分位だって。もう戻るべ」
すると段々猫耳や尻尾が縮まって、手や足が元に戻る。
そして完全に戻り、つる兄に抱きついて、
「やったー!戻りましたニャ」
つる兄はそれを聞いて、
「よ、よかったな。直ちゃん。でもニャって…」
「え?ニャ、ニャ…。わーん。ゆーちゃんのバカニャ!」
それから、どうなったかは、ご想像におまかせします。
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