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それにしても可笑しい。
なにせ今回消えた生徒は隣のクラスの辰川篠君だったからだ。
辰川君は関東の極道一家の出だと聞く。
裏の方でも顔が効くらしいから、もしなにか接触していたら抗争があったり保護者の方が怒鳴りこんできたりするはずでは…?
「ちわっす~、日向せんせぇ、宿題に出されてたプリントやってきたよぉ~」
褒めて~と職員室のドアをノックもせずに開け、抱き付いてきた生徒に思わず私は考えを中断し、眉を寄せて溜め息をついた。
「涼谷君、前々から言ってるがドアはちゃんとノックしてから入りなさい。服装も着崩さない、いきなり人に抱きつかない、語尾を伸ばさない。」
「えー無理~皆と同じとかぁ、俺の個性がなくなっちゃうじゃん~?」
毎度のことながらせっかく注意をしてやっているのにも関わらず、にゃはは、と笑いながら擦りよってくる様はまるで犬猫のようだ。
だが如何せん、彼は私より背も肩幅も広く体格もいい。
私の身長が172くらいだから多分、彼は180近くかもっとあるのだろう。
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