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それから俺はあわあわと慌てながらとりあえず着ていた自分のカーディガンを脱いで篠ちゃんをくるみ、篠ちゃんの大事な所とか諸々が見えないように気をつけながら全速力で保健室へと走り込んだ。 扉をぶっ壊す勢いで入ってきた俺に保健の牧野さんがあわや気絶しそうになったり、俺が抱えた篠ちゃんを見て俺が強姦したものと思い込んで職員室に内線で他の教員呼びまくったりで今、ものすごい俺はピンチだったりするわけで…。 「だぁ、かぁ、らぁ!!俺が東階段の踊場で鏡見てたら篠ちゃんの声が聞こえた気がして、だけど振り返っても誰もいなくてあれ?って首傾げて鏡の方にまた向き直ったらいつの間にか篠ちゃんがいたんだって言ってんだろうが!何度も何度も同じ事聞いてくんじゃねえよ、カス共が!!」 「そんなバカみたいな言い訳あるか!どうせお前が辰川を襲ったんだろう、こンのクソガキが!!」 「ふっざけんなよ、誰が好き好んでこんな可愛くない奴やるんってんだ!!そんなに言うんなら篠の体についてる○液と俺の調べやがれ!!」 早く篠ちゃんを手当てしてほしいのに、篠ちゃんそっちのけで俺を怒鳴る教師ばかりだわ、篠ちゃん犯したとかマジ有り得ない濡れ衣着せられるわでビキビキビキ青筋が浮きまくり。 もうね、こいつはいっぺん死んだ方がいいと思うんだ。その方が世の中の為にもな「涼谷!」…。 「日向せんせぇ…」 思考を遮られたけどそんな事なんてどうでもいい。 慌てた様子で保健室に駆け込んできた先生の姿に、情けなくも俺は涙が滲んだ。  
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