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「かなり衰弱してはいますが、特に外傷も見られませんし二・三日安静にしていれば目も覚めるでしょう。」 「そうですか…。」 本当なら風呂に入れてやりたいところだが、保健室にそんなものはあるはずもなく、私と保健医の牧野さんで代わる代わる濡らしたタオルで辰川の体を拭い、清め。 私ができない内部のそれは牧野さんが処理を行って辰川は保健室の予備の制服を着せて一段落つきながら、私は牧野さんから辰川の容態を聞き辰川を改めて見つめた。 生気を感じられないほど白い顔で、本当に息をしているのかと思わず確認したくなってしまうほどに弱々しいその呼吸。 恐る恐る握った手さえ、冷たく、私は耐えきれずにギリッと歯軋りをして辰川の手を自分の額につけ目を瞑った。 実家に帰ったと処理され、行方知れずになっていたはずだったのに、何故か校内で見つかった彼。 しかも、誰が見ても明らかな暴行の跡。  
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