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辰川の体を悲しげな顔をして拭い、服を着せて保健医の診断を聞いていた先生。
そして心配そうにしていた顔を歪めて泣き出しそうな顔で、辰川の手を握りしめまるで自分のことのように目を瞑っていた。
それを見ていた俺は辰川が少し羨ましく感じた。
いや、もちろん掘られんのは嫌だよ?けどさ…
もし、俺が辰川のようになったら先生は今と同じように…いやそれ以上に悲しんでくれるかな、なんて。
俺の体を一生懸命に拭いてくれたり、俺を思って心を痛めて、俺の為に涙を流してくれたりとか…
すごく羨ましいなって。
今、先生の心には辰川がいる。
それと同じように一瞬でも先生の心が俺でいっぱいになるって考えたら、ほら。ね?
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