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現実ならばここで終わる。が、篠の夢は続いていた。 光が徐々に徐々に収まり始め、篠はチカチカと明滅する世界に顔を顰めながら体を起こし立ち上がった。 立ち上がり、ふと、自分を抱いていた化け物がいない事に気付き篠は周りをぐるりと見回すも辺りは暗く、自分以外になにもいない。 魔物も、あの醜い者たちも。 まるで全て最初から夢だったように忽然と消え去っていた。 「…意味わかんねえ」 これには篠も面食らいガシガシと頭を掻き、そうこぼした。 欲求不満であんなタチの悪い夢を見てしまったのか。そんな認めたくない嫌な事が一瞬頭を過ぎるのも無理はない。 しかし、舌打ちして歩き出そうとした瞬間、少し離れた場所でなにかがうずくまっているのが目に入った。 咄嗟に体が強張った。 だがよく見ればそれは化け物でも魔物でもない。 人だ。  
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