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頭が、痛い。 この先は見たくない。そう思うのに目を離せない。 『う゛、……ァ゛あ゛ぁあ゛ア゛ァあ………』 「やめろ、嫌だ!!消えろ!頼む、頼むから……!」 苦しげな化け物の声を掻き消そうと言うように叫んだ。 「ちくしょう…っ俺が何をしたってんだ…!」 頭が、頭が痛い。頭が…熱い、腹が、身体が ぐるぐると世界が回るような感覚を感じ、ついに耐えきれなくなった篠は目を両手で覆い、その場にしゃがみ込んだ。 『きは、ハ、あははハぁ…!』 化け物が、笑っている声が聞こえる。 いや、 笑っているのは 俺だ。 「ははっ、ははは!ぁははははははははァ!」 なんで、どうして、と頭で思うのに喉が勝手に震え、締まり切らなくなった口から涎液が、目から涙が、零れ落ちる。 『なぁ、こっち見ろよ。』 意識とは別になった身体に化け物が声をかけた。 嫌だ。見たくない。見せるな。やめろ嫌だ。 『なぁ…見ろって』 もう一度かけられた声に視界を塞ぎ、隠していた震える手が、ついに剥がれ落ちた。 『やっと見たな。』  
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