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「せんせぇ、俺の事忘れてなぁい?俺スッゴい寂しいんだけどなぁー」 暫く辰川君の手を握っていた私は、ふらりと隣にきて私の手を掴んだ涼谷君の声にハッと我に返った。 「あ…あぁ、感傷的になっていて涼谷君の事を忘れていたな。すまない。」 詫びを入れながら彼を見ると彼はヒドいなぁ、もう~っと頬を膨らませながら拗ねたように重ねた手にギュッと力を加えた。 そんな彼に思わず苦笑する。 「本当にすまなかった。なんでもしてやるから機嫌を直してくれ。」 「…なんでも?」 ダメ元でそう申し出ながら涼谷の手の甲を親指で撫でるとピクリと反応を示し、涼谷はこちらを向いた。 「あぁ。だが私にできる範囲なら、だ。」 まるで幼稚園児か小学生を相手にしているようだと次第に楽しくなり顔がへにゃりと歪むのがわかった。  
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