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…だが、どうしたのだろうか。
できる範囲ならなんでもしてやると言ったのに、彼は顔を俯かせ黙り込んでしまった。そんなに悩む事だろうか?
学生だから多分、欲しい雑誌や服などを強請るとか、食堂の一番人気メニューを奢れだとかくらいしか要求はないと思うが。
…それとも彼なりに私に気を使って考えているのだろうか。
まぁ確かに私の平々凡々な見た目では稼ぎが悪いのではとか遠慮してしまうのも無理もない。
「…涼谷、そんなに考えこまなくても別にサラッと言ってもいいんだぞ?私もそれなりに稼いでいるし、男だからな。よほどでなければ聞いた後で自分の言葉を曲げたりなんかしない。」
あまりに時間がかかりすぎていて、流石に彼が可哀想になった私は彼にそう助け舟をだした。
まだ学生(子ども)なんだから大人に気を使うんじゃないという意味を込めて。
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