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騒いではチラッとこちらを見てまた悶絶しだす涼谷に最初はわけがわからなかったが、冷静になってくるにつれて段々と苛立ってきた。
…人の顔を見ては慌てて顔を背けるとは、なんて失礼な奴だ。しかも意味がわからない事を並べ立てて吠えるのも不愉快極まりない。
苛立ちに耐えきれなくなり私は未だに騒いだりしている涼谷に抗議しようと口を開いた。
が、その瞬間、今まで死んだように寝ていた辰川君がガバリと体を起こし
「うわあああああああ!!」
目を見開いて叫び始めた辰川君に私や涼谷君だけでなくその場にいた全員が驚き、辰川君を見つめた。
「あああああ!!がっ、ぁああああ!ああぁあぁあああ!」
気が狂ったように叫び続ける辰川君。
そして近くにいた私と涼谷君に気付くと何故か涼谷君に殴りかかろうと腕を振り上げ、それを見て我に戻った私は慌てて辰川君を取り押さえた。
「辰川君!辰川君落ち着くんだ!!」
「ぐッ、あぁああ…!あア、ぁあァあああ!!」
背中から抱えこむようにして腕を掴もうとしたが、辰川君の力が強すぎてなかなか抑え込めない。
「かはッ…!」
しかも悪戦苦闘をしていると力任せに暴れた辰川君の肘が腹に当たり、冷や汗が出た。
「先生!畜生、篠!こンのクソ野郎が寝ぼけてんじゃねぇ!!」
そんな私の情けない様を見てからか涼谷君が焦ったようにそう辰川君に怒鳴りつけながら辰川君の頬を張り倒す。
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