赤ずきん

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開きっぱなしの扉から断末魔のBGMが延々と流されている。あ、ジョニーの断末魔。次は……トムの断末魔かな。 次は誰かな、と思いつつ双子人形の回収作業に移る。 片割れは……ベッドから玄関を覗くように置いてたからなぁ。多分爆散してるかも。ま、変態の作品なんて世に残すべきじゃないからいいんだけど。 でも道中にチューブは残ってるだろうし。……疲れるんだよね、チューブ回収。 ……残された双子人形の腕をくるくる回す。すると、チューブが巻き取られて人形の中に収納されていく。 おのれゼペット……こんな変態的な機能つけるくらいなら自動で巻き取るくらいなんとかしなさいよ……。ぐぬぬ。 まだ見ぬ物語に何かしらの関係を持つゼペットを恨みながら私は必死に巻き取るのであった。 しばらくして。 お婆ちゃんが制裁を終え、家に戻ってきた頃には私も巻き取り作業を終えていた。とりあえずゼペットは殴る。右ストレートでぶっ飛ばす。 「……お疲れのようだね」 「……まぁね」 「でも説明してもらうよ」 「……鬼婆」 「お婆様と呼びな」 何も言わずにべろべろバー。 チッという舌打ちはもういつもの事なので気にしない。 ……ふぅ。さて、何から説明したものかな。やっぱりあれかな? 私とアリスの……いや、アリスの事を誰かに言うべきじゃないか。なら……。 「ねぇ、私の名前知ってる?」 「……馬鹿にしてんのかい? 孫の名を知らぬババァが何処に……んん? 赤、ずきん……んんん? どう、なってんだい……こりゃあ」 ―――なんであんたの名前が出てこない?  
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