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ハァハァ…ハァハァ…
ようやく逃げ切った。
「ん?おにーちゃん?どーしたの、そんなに汗かいて」
といい、綾乃が汗をふいてくれる。
じー…
「え?あぁ…とにかく歩こう!」
「え?!ちょっ!わわっ」
おれは綾乃の手を引いてそそくさと歩き出した。
「ふぅ、ここまで来れば大丈夫だろ」
歩くスピードを落とす。
「ね、ねぇ、おにーちゃんってばぁ」
「ん?あ、あぁ、どした?」
と答えながら振り向くと
「て、手ぇはなしてっ///あや、もう子供じゃないし//」
と、真っ赤になり綾乃が言う。
「お、あぁ、すまん」
手をはなすと綾乃は俺の前を歩き出した。
「で、なんで逃げたの?」
「まったく、お前も鈍感だなー」
「え?なんのこと?」
綾乃は自分が兄の同級生に人気だなんて思ってもいない。
「で、今日はなんの買い物?」
「えとねー、お夕飯とあとはあやの欲しいものっ(ニコッ)」
おれは、おもむろに財布の中身を確認する。
まぁ、余裕はあるな。
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