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「マジで冷たいな。キスまでした仲なのに」
バカ春!
言ったよ。
言っちゃったよ!
ほら、ゆかりなんてポッカ~ンだよ。
一馬も絶句。
でも、それも一瞬の事。
「お前ら、付き合ってんの?」
「違っ…」
「キャーッ、本当?!」
一馬の言葉に春がにっこり返すものだから、ゆかりは肯定ととったみたい。
私はと言うと、春を汚物でも見るかのような目で凝視していた。
春は私を好きか、て問いに答えてない。
本当に何なの!こいつ。
こんな事なら親と一緒に帰れば良かった。
忙しいだろうから、式が終わった時点で先に帰ってもらった。
うちは自営業で両親とも働いているから。
飲食店なので昼は忙しくなる。
今頃はてんてこ舞いだろう。
「もー、あずったら言ってよ!」
「あの…それ違…」
「ただのツンデレだったか」
「いや、そうじゃ…」
「あずは素直じゃないみたいだからね、仕方ない」
「…………お前が言うなぁ!!」
否定もさせてもらえず、怒りの沸騰した私は春を睨み付けると、叫んでいた。
「あず、恥ずかしいよ」
はっ、として見渡せば沢山の人から注目をされていて、私は口をつぐんで俯いた。
もうやだぁ。
こいつのせいで、高校生活初日からっ。
初日からっ。
「最悪」
「俺はあずに会えた最高の日」
ちらりと見上げれば、昔よりたくましく…、ううん、厚かましくなった春がにんまりと笑んでいた。
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