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意味わかんない。
「話すよ、全部。本当は三月に話すつもりだったけど、俺も限界なんだ」
ますますわからない。
「うん、意味わからないよな。でもごめん、話すのは今日じゃない。週末、予定ある?」
そう言った春の顔は、今にも泣きだしそうで、切なかった。
だからうなづいた。
気になったけど、今聞いてほしくなさげな春を尊重して。
すっごく気になったけど、我慢した。
週末を迎えるまでの数日間、私のモヤモヤは治まらなかった。
それでも私が春に尋ねなかったのは、私以上に春が複雑な顔をしていたからだと思う。
こんなに動揺している春は初めてだった。
春がそんな調子だから、美穂たちも首を捻ってる。
そして、週末、迎えにきた春に連れられて向かった先は、久々の春の自宅だった。
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