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駅前の喫茶店、そこに3人はいた。
「沖野君から連絡があったのは8時頃で間違いないか?」
「はい。」
メールの履歴を出してそれを見せた。
「薫はきっと見付かりますね?」
愛美は薫が失踪したことを信じられないでいた。
「さっきも言ったが今はなんとも・・・しかし私なりにこのメールは重要なそして、もしかしたら真実までたどり着けるような気がしている。」
「本当ですか!」
思わず声を上げてしまった。周りの人がいっせいにこちらを向く。
「すいません。」
愛美は立ち上がり謝罪をしてくれた。礼を言うと恥ずかしそうにだまってしまった。
「いいかな?まず君代さんは他殺だった犯人の検討が付いていない今君たちは早いうちにアパートを出て欲しい。代わりといってはなんだがうちの署にある寮の使用について話をつけておいた。」
「はあ」
「ここからが本題だ、君たちと別れてから私は2年前発生したある怪事件について調べなおした。その事件とは”高校生連続失踪事件”というものだ」
”高校生連続失踪事件”・・・この言葉を聞いた瞬間愛美の体がビクッとなった。かまわず代官山は続ける。
「アパートの裏から発見された骨は分析の結果高校生のものだと判明した。数は2人それと骨と一緒にこんなものが埋められていた。」
そういうと1枚の写真を取り出した。その写真には百合の花を象った髪飾りが写っていた。
「これは!?」
「嘘・・・これは・・・お姉ちゃんの」
俺もよく憶えている。
愛美には2っ年の離れた姉がいた。明宮 百合(あけみや ゆり)、明るくいつも笑っている太陽のような印象がある女性だった。
昔、姉ちゃんの誕生日に2人でプレゼントしたものだ。
「北条と明宮では姓が違わないか?」
「私の両親は姉が行方不明になったのが理由で離婚しました。私は母の姓を名乗っています。」
「すまない。しかしだとしたらこの骨は百合さんの物で連続失踪のとき埋められた可能性が高いな」
「私そろそろ帰ります。」
「俺もこれで、また連絡下さい」
そういって愛美と店を出た。愛美は俯いたままだった。
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