プロローグ

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俺は自分の性別と名前が嫌いだ。 女子。新藤紅音。これで『アカネ』と読む。 どうして女なんかに生まれて来たのだろう。 女なんか、汚い感情にまみれた、存在自体不明な生物なのに。 欲求、独占、嫉妬、、、上げだしたらキリがない位、最低な感情が浮かんでくる。 特に一人の男を巡っての争い。汚い。吐き気がする。なんて自己中心的な生物なのだろう。 俺もその一部だと考えると死にたくなる。虫酸が走る。 だから俺は女として振舞うことはしない。一人称も『俺』。制服はうちの学校は自由奔放なため、男子の制服を着ていても、何も言われない。 幸いなことに、父親がプロバスケの選手で、その血をを継いで、運動神経は人より良い。 周りは俺を『新藤』か『アカ』と呼ぶ。『アカネ』とは呼ばせない。 なぜなら俺は、 『男』として生きるから。
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