第1章

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『新藤先輩、篠原先輩、黒澤先輩、おはようございます!!』 「はよ」 「おー!おはよ!」 「おはよ。一年生早いねー」 ゼーゼー言ってる俺らををよそに、一年生は体育館の壁に張り付いたように並び、微塵も動かず、ただ朝練が始まるのを待っている。 …すると1人、アホ面が俺らにニヤニヤしながら近づいてきた。 「おー来たな、ハルアカコンビとマネージャー。集合一分前~」 「げ、高橋来てたのかよ」 「『げ』ってなんだよアカ」 「まぁまぁ、そうつっかかんなってユウ。アカもそう言うな」 「だってアカが挑発して…」 「アカの挑発は今に始まったことじゃないでしょ、ユウくん」 「お前ら俺の味方しろよ!!」 「高橋、お前はいつまでも成長しねーな。学習能力、ZERO~♪」 「っ…。アカぁ…」 「ハイハイ終わり。アカも挑発すんな」 「…ま、ハルがそう言うなら、止める」 「なんで!?俺の言うことも聞けよ!!」 「ハルは世界一信用してるから。お前は世界一信用無いから」 「ひでぇ!!」 「ユウくん、朝からうるさいよ」 俺らと同じクラスの高橋悠紀が、朝からつっかかってくる。俺の天敵。 何かと俺と勝負をしたがるただのアホ。 なんでもかんでも勝負を持ちかけてくる。断るとガキみたいに喚く(まぁガキだけど)から、面倒で、いつも勝負を受ける。 …負けた事はない。このバカも懲りないヤツだと、ハルと二人で嘆息している。 「なあ、アカ」 「何」 「勝負しようぜ!1vs1、負けたら昼飯奢り」 ほらまた、今日もきた。
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