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『新藤先輩、篠原先輩、黒澤先輩、おはようございます!!』
「はよ」
「おー!おはよ!」
「おはよ。一年生早いねー」
ゼーゼー言ってる俺らををよそに、一年生は体育館の壁に張り付いたように並び、微塵も動かず、ただ朝練が始まるのを待っている。
…すると1人、アホ面が俺らにニヤニヤしながら近づいてきた。
「おー来たな、ハルアカコンビとマネージャー。集合一分前~」
「げ、高橋来てたのかよ」
「『げ』ってなんだよアカ」
「まぁまぁ、そうつっかかんなってユウ。アカもそう言うな」
「だってアカが挑発して…」
「アカの挑発は今に始まったことじゃないでしょ、ユウくん」
「お前ら俺の味方しろよ!!」
「高橋、お前はいつまでも成長しねーな。学習能力、ZERO~♪」
「っ…。アカぁ…」
「ハイハイ終わり。アカも挑発すんな」
「…ま、ハルがそう言うなら、止める」
「なんで!?俺の言うことも聞けよ!!」
「ハルは世界一信用してるから。お前は世界一信用無いから」
「ひでぇ!!」
「ユウくん、朝からうるさいよ」
俺らと同じクラスの高橋悠紀が、朝からつっかかってくる。俺の天敵。
何かと俺と勝負をしたがるただのアホ。
なんでもかんでも勝負を持ちかけてくる。断るとガキみたいに喚く(まぁガキだけど)から、面倒で、いつも勝負を受ける。
…負けた事はない。このバカも懲りないヤツだと、ハルと二人で嘆息している。
「なあ、アカ」
「何」
「勝負しようぜ!1vs1、負けたら昼飯奢り」
ほらまた、今日もきた。
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