第1章

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「…ヤダ」 「何で!?」 「昼飯あるし。めんどいから」 「んじゃ、アカは昼飯じゃなくて、コーヒー牛乳とアップルパイとオレンジワッフル!どう?」 「……!!」 コイツ…卑怯だ。購買メニューで俺の大好物TOP3を使うなんて…! これは、答えは決まってる。 「ユ、ユウくん。アカ、『ヤダ』って言ってるから…」 「やる。勝負、受ける」 「ア、アカ!??」 「よっしゃ!アカならそう言うと思った!!」 「勝つから奢れよ」 「勝ったらな」 あんな条件出されたら、やるしかない。コイツわかっててそれを出すとは…。 生意気なクソガキめ。 「ちょ、ハル、どういうこと!?アカ、やりたくないって…」 「…アカは、コーヒー牛乳とアップルパイとオレンジワッフルが大好物なんだ。 だからアイツ、操られてるのわかってるけど、買ってもらうために勝負を選んだんだ」 「だったら、自分で買えば…」 「俺らの教室は購買のところから一番離れてる。後から行っても、その3つは人気だから売り切れてることが多い。だからなかなか買えない」 「…なるほど。だからこの際、勝負に勝ってユウくんに買ってきてもらおうと」 「多分、そんなとこ」 後ろでハルとナミが話してる。本当にその通りだ。操られてることぐらいわかってる。でもこの好物の3つに勝るものはない。 こんな勝負事持ちかけてくるこのガキもバカでアホだと思うけど、その勝負事を受ける俺もまた、一種のアホだと自分で自分に失望する。 …ホント、何やってんだ俺。
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