第1章

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「よし…アカ!!じゃあ先にポイント入れた方の勝ちな!!」 「勝手に言ってろ」 「ぜってー負けねー」 「勝手に言ってろ」 「ハル、ジャンプボールと審判してよ」 「OK」 「アカ、今日こそ奢って貰う…!!」 「勝手に言ってろ」 「何で切り返し全部それなの!?俺一人で喋ってんじゃん!!」 「勝手に言ってろ」 「アカぁ!!」 「勝負は1ポイント先取。早く終わらせろよ、アカ」 「了解(ラジャー)」 「ハル!?お前もか!!お前もそっち側なのか!!」 「よーい」 「ハルッ!!」 「スタート!!」 高橋の言葉を華麗にスルーしながら、ハルはボールを投げた。 直前までくっちゃべってた高橋は、追い付けるわけも無く、俺にボールを取られ… 〈ピィ―――ッ!!〉 「ゴール。勝者、アカ」 「…高橋、奢れよ」 「また負けたっ!!悔しいぃ!」 「…直前まで喋る癖を何とかしろ」 「え?」 「あと、ドリブルで抜かれた時。利き手側の方しか動いてない。反対側ががら空きだから抜かれる。もっとディフェンス力を高めろ」 「お、おぉ」 「バスケのセンスが、無いわけじゃないから、使ってやらないと、『宝の持ち腐れ』だ」 「……」 「ったく。レギュラーがそんなんじゃ困るっつーの」 「す、すまん。努力する」 「今度は練習メニューを鬼レベルにするか」 「マジか…」 何でこんなおとなしくなってんだコイツ。 するとハルが尊敬の眼差しで、俺の方に来た。
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