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「よし…アカ!!じゃあ先にポイント入れた方の勝ちな!!」
「勝手に言ってろ」
「ぜってー負けねー」
「勝手に言ってろ」
「ハル、ジャンプボールと審判してよ」
「OK」
「アカ、今日こそ奢って貰う…!!」
「勝手に言ってろ」
「何で切り返し全部それなの!?俺一人で喋ってんじゃん!!」
「勝手に言ってろ」
「アカぁ!!」
「勝負は1ポイント先取。早く終わらせろよ、アカ」
「了解(ラジャー)」
「ハル!?お前もか!!お前もそっち側なのか!!」
「よーい」
「ハルッ!!」
「スタート!!」
高橋の言葉を華麗にスルーしながら、ハルはボールを投げた。
直前までくっちゃべってた高橋は、追い付けるわけも無く、俺にボールを取られ…
〈ピィ―――ッ!!〉
「ゴール。勝者、アカ」
「…高橋、奢れよ」
「また負けたっ!!悔しいぃ!」
「…直前まで喋る癖を何とかしろ」
「え?」
「あと、ドリブルで抜かれた時。利き手側の方しか動いてない。反対側ががら空きだから抜かれる。もっとディフェンス力を高めろ」
「お、おぉ」
「バスケのセンスが、無いわけじゃないから、使ってやらないと、『宝の持ち腐れ』だ」
「……」
「ったく。レギュラーがそんなんじゃ困るっつーの」
「す、すまん。努力する」
「今度は練習メニューを鬼レベルにするか」
「マジか…」
何でこんなおとなしくなってんだコイツ。
するとハルが尊敬の眼差しで、俺の方に来た。
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