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「嬢ちゃん、だいぶ疲れただろ。今日は早いとこ休んだほうがいいんじゃねーのか?」 「いえ、大丈夫ですよ。疲れたといっても、私今日はまだ何もしてませんし」 それもそうだな、と永倉さんは笑ったあと、私の横に腰掛けてきた。斉藤さんもそれに続いて腰を下ろしている。 「いやぁ、しかし。あの総司と一緒の部屋で過ごしてるなんざ……嬢ちゃんもこれから苦労するぞ」 もう苦労しているようなものなのだけれど、それは言わないでおいた。 「総司も……よく自分の部屋なんかに住まわせたよなー。総司にかぎって変なことはしないだろうが、こんな可愛い嬢ちゃんを独り占めするなんざ羨ましいぜ、ははっ」 「そんな、そういうのではないですよ」 永倉さんの言葉になんて返したらいいのか少しだけ困る。   「わかっちゃいるが、総司は斉藤と同じで、剣以外には興味ない奴だと思ってたからな。だから意外というか、面食らったというか……な、ハジメ?」 「ああ……確かに」  「そうなんですか?」 「ああ」 斉藤さんが小さく相槌を打っている。気さくで面倒見の良いお兄さん、といった感じの永倉さんとは対照的に、斉藤さんは寡黙でどこかミステリアスな一面がある。 ちなみに永倉さんは2番隊隊長、斉藤さんは3番隊隊長なのである。
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