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「そうか、そういえば……大広間で自己紹介して、その後はそのままにされてたもんなー。まったく、近藤さんも土方さんも側にいたってのに、配慮がなってねーな」
「あ、いや、そんな風には思ってませんけど……」
ただ私がちゃんとしていなかっただけ。もちろん近藤さんも土方さんも悪くは無い。
「よし、それなら屯所内を案内するぞ。自分の部屋だけじゃなくて、色々と場所を把握しておいたほうがいい」
「あ、ありがとうございます」
そう言って私は立ち上がる。
「……というわけで、来い!」
言いながら、藤堂さんは私の腕を掴んでグイッと引っ張った。
不意に後ろに引っ張られる形になった私は、バランスを崩す。しかも、片方の手を引っ張られたので、身体が独楽のように回りながら後ろに倒れていく。
「ひゃあっ!」
驚いた私は奇妙な声を上げてしまう。
こ、このままじゃ後ろに倒れこんじゃう……!
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