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「あ、あの……」
「わかった、俺が悪かった！」
「え？」
私の言葉を遮って藤堂さんがそう叫んだ。
「悪かったな。お前に早く屯所内を見せたかっただけなんだ。すまん！」
そう言って、藤堂さんは私に向かって頭を下げた。その謝罪が、あまりにも率直で、あまりにも真撃で、私は戸惑ってしまう。
「そ、そんな。許すも何も、藤堂さんは何も悪いことしてないじゃないですか」
「いや、俺は何事に対しても、すぐに決めて、即行動しなけりゃ気がすまん気質なんだよな……そのせいで、お前を危ない目にあわせてしまった。だから俺は謝る」
――なんだか、すごいって思った。藤堂さんがせっかちで強引なのは、何となくわかったけど……藤堂さんは、それを自覚している。というより意識してそう振る舞ってるんだ。だから、それが引き起こすかもしれないトラブルには、いつも責任を取る覚悟がある。
その上、頭を下げてきっちり謝るなんて……私だったら、何となく言い訳してごまかしそうな気がする。こうやって、思いをすぐ形にできるって、すごいよ。
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