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「花純さん、今日のお味噌汁の味もなかなか美味です。最初の頃よりも腕をあげましたか?」 「あら、沖田さんありがとうございます」 私は今、沖田総司さんと朝食中なのである。いつもは隊士全員が一斉に食事を取るのだが、今日は少し違う。 「今日は花純さんが正式に隊士として働く初日となりますね……僕としては花純さんの作る手料理を食べる機会が減るというのは、少し残念ですが」 「何言ってるんですか。これからも料理はもちろん、女中の仕事もしていくつもりでいますよ」 そう、今日から私は堂々と新撰組の隊士として動くことができる。それがいつもと違うところのその1。 そして、私以外に女の人がいないこの屯所では、私が来てからは主に私が屯所内の炊事を行っていた。 隊士になればそれらに費やす時間は減ってしまうかもしれないけど、でも……ただでさえ隊士たちが交代制で食事当番などをしていて忙しそうにしているというのに……私だけが隊士になったからといって、それらの仕事を辞めるわけにはいかない、って考えていた。 文武両道ってやつ?あれ、何か違うような……まぁいっか。
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