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「それって剣術の決闘をするってことなんですか?」
「まあそうだけど、本物の刀ではなく竹刀でやることになるから死ぬことはない。模擬戦ってところだな。きっと相手はかっこつけたいカブキ者ってところだろ。……今頃もう平の隊士にこてんぱんにされてるかもしれねーぞ?」
「……いや、あの浪人。かなりの腕前とみた」
斉藤さんが一呼吸置いてから再び口を開く。
「……組長級の腕でなければ、太刀打ちは出来ないだろう」
「ほぉ~、斉藤がそう言うってことは、どうやら只者じゃないらしいな。いやぁ~、凄腕の道場破りかぁ、腕がなるぜ!」
「……お前は槍が専門だろうが」
斉藤さんはいつも必要最低限の言葉しか口にせず、短い言葉なのにも関わらず原田さんに突っ込みをいれていたので、少しおかしく思ってしまった。
「なんだよ!ちょっとばかし剣の腕が立つからってよぉ……ぐずぐずするな、行くぞ」
「あ、私も行きます!」
私は、かなりの腕前だという道場破りを一目見ようと思い、2人の後をついていった。いったいどんな人が来ているのだろう。
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