背中曲がってるぞ

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  僕の通う高校、県立山岸南高校は、はっきり言って学力は下の下。 「裏木。お前は決して駄目な人間なんかじゃないと先生は思ってるんだぞ」 だからこないだのような不良はそれなりの数が在籍しているが、単純に「家から近くて学力が足りてる県立高校がここしかなかった」という不良ではないけどそこまで勉強に一生懸命じゃないだけの普通の生徒も数多くいる。 「成績だって上位だし、何より今まで無遅刻無欠席なのは素晴らしい」 何を隠そう僕と師匠もその内の二人だ。 「だがな、裏木。お前には常識がない」 風紀がやや乱れ気味であるが、決して改善の余地がないほどではないそこそこのおバカ高校。 それが我らが山岸南高校だ。 「いや、ないはずはないんだ。目上の者に対する言葉遣いくらい、お前はちゃんと知ってるはずだ。そうだろう?」 つまり、ここは僕ら奉仕活動同好会にとっては最高の学校だ。 「それが何故できない?分かっていながら、なんでいつも先生方に反抗ばかりするんだ?」 いくらゴミを拾っても、放課後になれば校庭や学校の敷地周りはゴミが散乱する。 いくら花壇を整えても、次の日には踏み荒らされる。 ああ、なんて奉仕活動のし甲斐があるんだ、山岸南高校。 「そういう態度を取りつつも、本当は自分を見て欲しい。自分の話を聞いて欲しい。そう思ってるんだろう?」 師匠は今日どこからゴミ拾いを始める気なんだろうか。 中庭だろうか、購買部前だろうか。
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