それはお前が考えろ

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     「へぇ、流石は生徒会長。俺の中学時代のことも知ってるんだな。つか、師匠も桐島と関わりあったのか?」 「東雲はあれで実は相当モテるからな。俺が知る限り、桐島にはっきり『NO』と言った上に顔面に拳を叩き込んだ人間は東雲だけだ」 「はは、流石師匠」 師匠のプチ武勇伝に笑いを零した僕を見て何故か溜め息を吐き、先輩は壁から背を離した。 「忘れるな。お前がまた桐島の視界に入るようなことがあれば、奴はすぐにお前を潰しに行くだろう。いつまでも東雲が守ってくれるわけじゃない。自分の身は自分で守れよ」 桐島か。 同じ学校にいるのは知っていたけど、なるべくあいつの視界に入らないよう影薄くしてきたってのに、今更こうなるのか。 「まぁ、俺も生徒会として、むざむざ優等生が不良にやられるのを見過ごすわけにはいかないけどな」 それだけ言うと、先輩は僕に背を向け歩き去った。 やられる……か。 もう、どうでもいいな。 桐島が来たって、別に恐れることはない。 奴が満足するまで殴らせておけば、かなり痛いだろうけど、それだけで済む話だ。 師匠があんな奴にやられるとは思えないし、僕がどうにかなる程度なら、何も問題はないんだ。 もしそうなった時、財布を盗られないようにする対策を考えつつ、僕はノックするのも忘れて部室のドアを開けた。 「よう良太。遅かったな」 完全に忘れてた。 部室の中に師匠居たんだった。 「よう師匠。今日は何をするつもりなんだ?」 机の上に置かれた二セットのトランプと、その内の十六枚が既にAの字に立てられ横一列に並べられているのを見て、僕は尋ねた。
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