サクラとサクラ

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暫くお互いに無言でいると、ガラッと音がしてこのクラスの担任であろう先生を先頭に、生徒が入ってきた。 「お…? お前ら、相沢と矢沢だな?」 「相沢ですッ」 「……」 あら? 矢沢くん無言だ。 「まぁいい。席つけ」 「はぁいッ!! またね?矢沢くんッ」 「あぁ…」 矢沢くんはフワリと微笑んで、窓の外に視線を移した。 私も自分の席に戻る。 「えー、さっき紹介があったが、入学式さぼったヤツらがいるから自己紹介すんなー」 先生は私と矢沢くんをニヤリと見たあと、黒板に名前を書く。 えーッと… あず、ま… しゅう、じ… 「このクラスの担任、 吾妻 柊司。歳は22。 若いからってナメンナヨ?」 先生はまたニヤリと笑って、今度は名簿に目を移した。 .
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