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「う、う」
スゥーと目が覚める。
すでに外は暗くなっていて、下からは微かにいい臭いがしていた。
「でも、カレーの臭いじゃない」
瞬間的に焦り、私は脱兎のごとく部屋を出て、階段を駆け降りた。
一階ではすでに、夕飯の支度をしていた。
でもカレーは見当たらず、臭いすらしない。
……やっぱり、買ってくるもの違ったかな……
不安になりながらも、とりあえずやるべきことはやらなきゃ! と、
「神無さん、ごめんなさい。 今日カレーだったんですよね」
謝る。
きっと、私が買ってきてものだけで作ってくれたのだろう。
だが、神無さんの口から帰ってきた言葉は予想もしていなかった言葉だった。
「最初から、野菜炒めだが? お前はきちんと依頼を遂行してくれました」
ポンと私の頭に載せられた手にすごく和ませられた。
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