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「どうしたの?」
と訪ねると、困ったような顔でこっちを見てきて。
「玉……ねぎ」
と潤目になってしまった。
そっか、玉ねぎのお使いだったのか。
私が最後の一個を取っちゃったから。
でも、私にも玉ねぎは必要だし……
「お母ちゃんが病気で、肉じゃがつくってあげようと思ったのにー!」
と、泣き出してしまった。
……神無さん、すいません、任務成功とは行かなさそうです。
「ほら、私の玉ねぎあげるから、泣き止みなさい。 男の子でしょ」
「でも、お姉ちゃんが……」
「いいのよ。 私はなんとかなるから……それよりも早く肉じゃがつくってあげなさい」
ポンと玉ねぎを掴ませると、また頭を撫でた。
時には任務より大切なものがあるのさ。
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