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「あ、ありがとう、お姉ちゃん!」
礼を言うと、少年は会計を済ませ玉ネギを母の元へと持っていった。
パアッと明るくなった少年の笑顔につい、私もつられて幸せになる。
「で、君は大丈夫なの?」
「――あ、えーと多分」
「大丈夫じゃないのね」
「そ、そんなことないです! 私は大丈夫です!」
強気になってみるが、店員の女性は白い目で見てくる。
た、確かにカレーに玉ねぎが無いのは致命傷でありますが、神無さんなら、神無さんの力できっと何とかしてくれるはず!
「じゃあ、とりあえずじゃがいもとニンジンだけください」
「はい」
「あっ、ちょっと待ってください」
私は制止の言葉をかけたあと、赤い植物を手に取る。 そう唐辛子だ。
肉屋の人に言われたの忘れてた。
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