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すっと受話器を耳から離し、元に戻そうとする。
『き、切らないで!』
「なぜ、切りそうだとわかったんですか?」
受話器から声が聞こえたので、もう一度耳に付けた。
『ごめんね、一から説明してく』
受話器越しの声は大人びていて、すぐに秋さん――つまり、俺たちの通う、池ヶ丘高校の校長であることは分かった。
その校長さんは、なにやら大変なことが起きたらしく、慌てながら話す。
『あのね、今、家には他の人からお子さんをお預かりしていたんだけどね!』
「少し目を離している内に、何処かに消えた。 で、探してほしい。 ですか?」
『おお! 話が早くて助かるよ。
じゃあそう言うことだから!
因みに特徴は、薄紫の長髪だから見たらすぐにわかるよ』
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