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それだけ言うと、秋さんは通話を終えてしまった。
まったく、勝手な人だな。
ため息をつく俺の後ろでは、みんなが、天ぷらをものすごい勢いで口に入れていく。
「別に急がなくても、食べ終わってから行くぞ」
話は聞こえてたので、みんな、すぐに出掛けると思ったのだろう。
「へも、はやうはがはなひほ」
「美羽、口に入れながら話すな。 汚い」
注意すると、美羽は一気に飲み込み、
「早く、探しにいきましょう! もしかしたら、悲しくて泣いてるかも知れませんし!」
「そうだな……じゃあ、早く食べ終えろ」
泣いてるは無いと思うんだが、
そう言えば、俺、天ぷらを一口ぐらいしか食べてないじゃん。
そう、思う頃には積み上げられた天ぷらはみんなの腹の中へと消えていった。
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