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宣言した通り、商店街に来ている。
やはり人数は多い。 だけど、薄紫の長髪ならすぐわかるだろう。
と、考えていたが、そんな人物は俺の視界には入ってこない。
「早く見つけてやんねぇとな」
そう言ってから足に力を入れ、地面と体を強く反発させた。
※※※
神無がまだ商店街に入った頃ぐらい、猫神美夜は裏路地を必死に駆けていた。
「うっ」
今さらだが、後悔した。
猫時代は裏路地も平気だったが、ここ最近は、からっきしだったため、この異様な臭いが鼻を刺激する。
「うん?……~~っ!?」
急いで腕を噛む。 それは、腹の奥から戻ってきたものを、吐き出さないように。
走っている途中、足に変な感触を覚えた。
足元に視線をやると、そこには骨に多少の肉がついた、おそらく猫であろう死体が転がっていた。
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