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「神無様……」
くいくいと瑠宇ちゃんが服を引っ張る。
瞼は沈みかけていている。
そうだな、瑠宇ちゃんはまだ幼いし、この時間はきついか。
「おやすみなさ……」
「おわっと!」
瑠宇ちゃんのふらふらとした足もついに崩れ、体を俺の胸にぶつけた。
「梨狐、悪いんだが頼めるか?」
「はい」
瑠宇ちゃんを引きはなして、梨狐に渡す。
その梨狐は瑠宇ちゃんを抱っこしながら二階へ上がる。
「なぁ桜。 そこの梨狼ちゃんなんだが、名字が赤井と言うことは?」
「まさか、神無の――」
そのあと、二人揃って「隠し子!?」などとほざくものだから、
「わ、私は断じて違う! 赤井神無の子供などでは! ほら、年を考えろ! 私は16才、すでに神無より上なのだぞ!」
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