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十分に温まった油に次々と衣を着けた具材を投入していく。
「美夜、危ないから、離れてろ」
「へいへーい。 じゃあ私はサラダの準備でもしておきますよ」
「そうしてくれると助かる」
俺は揚げ時を見逃さないように油の中を見る。
美夜は木製の深皿にレタスや青菜を持っていく。
「神無さん! このいい臭いは何ですか!?」
「天ぷらだよ。 跳ねるから、あんまり近づくと危ないぞ」
美羽が高温の液体の中に、顔をつっこむんじゃないかと言う勢いで覗くので、首根っこを掴む。
「ねぇねぇ神無さん、あとどのくらいで出来る?」
「そうだな。 お前が、あっちに戻る頃には出来るんじゃないか?」
「マジですか!? じゃあ戻ります!」
美羽の扱いに慣れてきたと思う最近この頃。
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