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雪の唇は、マシュマロのように柔らかい。
それをじっくりと堪能する。
ついでに雪の前髪が俺にかかる度に、女の子独特の香りが鼻を刺激する。
「んっ……」
雪も嬉しいんだろうか?
目を閉じながら俺を求めてくれる。
どれだけの時がたっただろう?
長い長い俺らのファーストキスは時間を忘れさせる。
二人の心臓の高鳴りと、荒い鼻呼吸の音がけたたましいほど聞こえる。
雪の心臓の鼓動、早すぎだろ……って俺も人のこと言えないか。
「はぁ、はぁ」
お互いに息が乱れる。
熟したリンゴのように赤く染まる雪の顔に、藍色の髪がよく映える。
もう、なにも考えずにこのまま雪を俺のものにしたい。
そう思う俺の手には無意識に力が入る。
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