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出来上がった天ぷらを皿に移していく。
「うん、我ながらいいできだ」
「こっちも出来上がってますよ」
後ろから美夜が、両手に二つ、間に一つ――合計三つの木皿を持ちながら、こっちをジッと見てくる。
一個持てと言いたいのか……
仕方ないと、手をのばすと、
「別に持つのは良いですから。
それより、神無さんが出てくれないと、私も出れませんよ?」
「そ、そうか、悪かった」
何で、俺、謝ってるんだ?
ま、いっか。 と台所を出て天ぷらをリビングへと持っていく。
「待ってました! 天ぷらさん!」
などと、叫ぶ美羽は珍しくすでに着席しており、箸を持って臨戦態勢に入っている。
六人もいるわけだから、結構な量作ったんだが、足りるかなぁ?
などと今さら心配しても無駄であった……
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