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「僕がこの家に来たことを疑問に持つのはおかしくないと思う」
瑠宇ちゃんがソファーから跳ねるように降りる。
「だけどさ、逆にあんたたちはなんでこんなとこにいるの」
質問……なのだろうか。 語尾にハテナを感じられないほどに強く冷たい。
落ち着け、私。
心をさすり、言葉を発する。
「私たちも、私たちもマスターがいなくなったから、神無さんに拾ってもらった、だけ」
マスターと呼ぶのはいつぶりだろうか?
「ふふっ」
「なにがおかしい!」
私の言葉に微笑する瑠宇ちゃん。
それに言葉を荒げる梨狼ちゃん。
「パパも可哀想だ。 まさに飼い犬に手を噛まれる……いや、狐と狼にか」
妖艶な笑みを浮かべる。
その姿に背中に冷や汗を感じる。
「パパを裏切っといて」
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