お仕事!? 文化祭!? デビュー!?

9/81
前へ
/135ページ
次へ
「僕がこの家に来たことを疑問に持つのはおかしくないと思う」 瑠宇ちゃんがソファーから跳ねるように降りる。 「だけどさ、逆にあんたたちはなんでこんなとこにいるの」 質問……なのだろうか。 語尾にハテナを感じられないほどに強く冷たい。 落ち着け、私。 心をさすり、言葉を発する。 「私たちも、私たちもマスターがいなくなったから、神無さんに拾ってもらった、だけ」 マスターと呼ぶのはいつぶりだろうか? 「ふふっ」 「なにがおかしい!」 私の言葉に微笑する瑠宇ちゃん。 それに言葉を荒げる梨狼ちゃん。 「パパも可哀想だ。 まさに飼い犬に手を噛まれる……いや、狐と狼にか」 妖艶な笑みを浮かべる。 その姿に背中に冷や汗を感じる。 「パパを裏切っといて」
/135ページ

最初のコメントを投稿しよう!

365人が本棚に入れています
本棚に追加