お仕事!? 文化祭!? デビュー!?

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部屋に入る。 雪さんたちとは別の部屋で、あまり生活感はない部屋だ。 その奥、ベッドの上で梨狼ちゃんが布団にうずくまっていた。 微かに震えているのが暗がりでも分かる。 まだ私も梨狼ちゃんも瑠宇ちゃんには敵わない。 だけど私は……私だけじゃない、私と梨狼ちゃんで変わっていかなきゃいけないんだ。 これからの人生で一番一緒にいるであろう親友を背中から抱き締める。 「少しずつでいい。 ちょっとずつでいい。 立ち止まってもいい。 だから変わろ」 布団の中から、「うん」と聞こえるか聞こえないかの声量だけど、私には聞こえた。 本当は梨狼ちゃんが弱虫だって私は知ってる。 だから私が守らなきゃダメだし、私も梨狼ちゃんに守ってもらわなきゃダメだな。
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