千夏

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  「○○中学校って知ってる?」 私は立っている道の行き止まりを指差した。 だってここは『中学校通り』だし、この男バカじゃないかと思った。 「あ、ごめんごめん。○○小学校ね。間違えちゃった。」 「知ってるよ。」 この辺はみんな○○小学校の生徒だし。 私は簡単に道順を教えた。 「うーん、分かんないな。一緒に行ってくれない?ちゃんとここまで送るから。」 オジサンは相当困ってる(焦ってる?)ように見えた。 「ちょっと待ってて。」 と言って私は靴屋(私んち)のガラス張りのドアを開け 「ばあちゃ~ん、あのオジサンが○○小学校に行きたいから連れてってって。行っていい?」  
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