千夏

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  それからしばらく経って、塾の帰りウチに入ろうとしたら、千夏んちに車が停まってて、千夏と弟が笑いながら車に手を振ってた。 次の日私は千夏に訊いた。 「昨日の車って…こないだのオジサン?」 千夏は、 「うん、まだ○○小学校が分からないって言うから一緒に行ったよ。お菓子も買って貰った。」 と、言った。 「ふぅん…いつまで迷ってたんだろね。何か変だね。千夏、また会っても車に乗っちゃダメだよ。」 「え?なんで?」 「なんかヤな感じがする。」 「ヤな感じじゃないもん。オジサン優しかったし。あ、Kちゃんお菓子貰えなかったから悔しいんだ?」 「違うよ、千夏。とにかく知らない人には付いていっちゃダメなんだ。」 「うん…分かったよ。」 と、千夏は答えてくれたが嫌な予感は拭えなかった。  
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