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私は、学校が終わって美麗ちゃんの家に走った。
ばあちゃんの言葉を、ばあちゃんの背中越しに『嘘だよ。』と笑ってる黒い影がいたから。
美麗ちゃんの家はマンションの3階。
でも、マンションに近づくにつれて、線香の匂いが強くなっていく。
部屋まで駆け上がると…見慣れた、黒と白の幕。
「あら、美麗のお友達?」
黒い服の知らないオバサン。
「あの…あの…美麗ちゃんは…」
息を切らせながら訊ねた。
「美麗はね、お風呂で溺れちゃったの。」
また、黒い影が笑う。
「ありがとうございました!」
私は踵を翻し、また走る。
ばあちゃんが今朝読んでた新聞…
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