minority

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「唯斗、」 帰ってたつるが買った物を綺麗に片付けていくのを眺めていると、ふいに名前を呼ばれる。 「何、んっ」 たつるが急に噛み付くようなキスしてきたから、唇に歯が当たってちょっと血の味がした。 「…ってえ」 こんな乱暴なのでもちょっと高揚してしまうとか、いよいよ自分がやばいと感じる。 「吉岡ってどんな奴なの?」 「どんな奴って、まあ部活では仲良かったかな… 可愛いー後輩じゃねーの」 「俺と付き合ってなかったら、付き合ってた?」 「さー、どうだろ…」 いかにも唯斗って感じの解答にはもう慣れてしまった。 まあ本当はそこ否定して欲しかったけど、嘘をつかれないだけマシだって思っておく。
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