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「もっかい、ちゃんとしろ」
「はいはい」
俺から要求しても、たつるはキスをくれる。
主導権のないキスにはだいぶ慣れたけど、息をするタイミングが未だにわからない。
でも呼吸が出来なくて力が抜けて頭がくらくらするのも、俺にとってはキスの気持ち良さの1つになってしまう。
「は…」
脱力した身体を、たつるが笑いながらポンポンと抱いてくれるのが心地いい。
「それ、好き…」
「そー?」
「うん」
肩に顔を埋めると、たつるの手が俺の髪をさぐる。
気持ち良くって額を押しつけると、その手が止まった。
「…唯斗、」
「んー?」
「洗剤、替えてくる」
代わりとでも言うようにバカでかいクッションを渡されて、たつるは洗面台の方へ歩いていった。
しょうがないからクッションに顔を埋めて、不服な気持ちを紛らわした。
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